withlist Caravan
今日、withlist Caravan「夢のドッグラン」というイベントに行きました。
会場は、おなじみの鶴見緑地公園。
アニコムというペット保険の会社が主催で全国を廻っているようですが、今日の大阪からスタートして来年の1月まで全国4か所を廻るそうです。
いつもどおり、ゆっくり目に出かける我々が現地に着いた時には、受付の終了の直前でしたが滑り込みセーフ、ついでに記念写真の行列にもぎりぎり並ぶ事ができてラッキーでした。
プロのカメラマンによる撮影でペットと一緒に撮ってくれる写真のサービスがありまして、ハンモックに座って、妻とティーモと一緒に撮っていただきました。
自分のカメラでも撮ってくださり、記念になります。
専用のカメラで撮ってくださった写真は、どこかにアップされるそうですがよくわかってません。
写真撮影後、横でやっていたドッグヨガにも参加。
まあ、いつも家でしているような感じでティーモとたわむれるというだけに終わってしまいましたが、芝生の上で気持ちのよい風を感じながらなので、とても癒されました。
途中参加だったので、すぐ終わってしまいましたが、いよいよドッグランに。
と言ってもティーモは例によってドッグランが苦手。
他の犬に追いかけられると、必死な形相で抱っこしてくれとアピールしてくるのですが、8歳以上のシニア犬エリアはとても空いていて、みんな大人しい犬ばかりで、これならなんとかいけそうです。
短い時間でしたが、結構楽しめたようでなによりでした。
というか、僕たちが充分楽しめました。
今日は、いろいろと屋台の店が出ていて、鶴見緑地は賑やかでした。
ゆるゆると散歩して、夜になったのでいつものラペントラへ。
ティーモは、もうすっかりお疲れのようでしたが、いつものワンバーグが来たら、夢中でたいらげておりました。
Micanからラペントラと10年近く、ティーモにとっての御馳走といえばこのワンバーグ。
変わらずお店を続けてくださっているおかげと感謝しています。
ところで、びっくりしたことが一つ。
店長さんが変わられたようで、前の店長さんとは長いお付き合いだったので、ちゃんと挨拶ができていなかったのが残念です。
まあ、大阪でまた店をされているとのことですし、しかも北浜という情報がありましたので、きっとまたお会いできることでしょう。
できればペットOKのお店をされている事を期待していますが。
エドガー・モロー 無伴奏チェロ・リサイタル
今日は、若手チェリストで最も注目しているエドガー・モローのリサイタルに行ってきました。
2011年のチャイコフスキーコンクールで17歳にして2位となり、注目を集めた人です。
個人的には、NHKBSプレミアムのクラシック倶楽部で観た演奏で知りました。
なので注目しだしたのは最近です。
会場は兵庫県立芸術文化センター大ホール。
ここは西宮市にあるので、自宅からは、やや遠いこともあり、演奏会を聴きにきたのは初めてです。
10年以上前に父がまだ生前に父の門下生の方達の発表会で来て以来なので合計でも2回目です。
建築的にも、とても興味のあった建物です。
ここの建物は、内外装にコンクリート打放しを多用しています。
先日ご紹介したアイ・アイ・ランド同様に、単純な打放しではなく杉化粧形枠と小叩きの組み合わせということで、打放しの持つ冷たさのようなものを打ち消して、素材の荒々しさや重厚さという良い面を引き出しています。
ある意味、定番的な手法ではありますが、これだけ徹底していると迫力あります。
壁と天井は杉化粧形枠、柱は円柱を3つ抱き合わせたような形状で、小叩き仕上げ。
丸みをさらに強調しています。
形状的に、足元を絞っているのと、全体的に細身のプロポ―ションによって、軽快な印象を持ちます。
対照的に、天井はリブ状の打放しで、ここも杉化粧形枠ということで、非常に荒々しい強さを感じさせます。
柱の形状、天井のリブというのは、日本建築の寺社などをモティーフにしているのかもしれません。
エントランスの大階段や、ホールの壁は木をふんだんに使っていて、コンクリートと木の相性の良さのようなものを感じます。
さて、演奏会の方です。
バッハの無伴奏チェロ組曲を3曲というプログラムで、とても本格的な内容です。
無伴奏ということで、当然ですが伴奏のピアノが無く、ステージの真ん中にぽつんと椅子があるだけ。
ホールの演出で避難誘導灯も消灯しての暗闇の中、ステージ中央の椅子の周辺だけが明るく照らされている独特の雰囲気です。
そこへエドガー・モローがチェロを持って颯爽とステージに登場。
1曲目は有名なハ長調の組曲。
プレリュードは誰もが一度は聴いたことがあるだろう名曲です。
最初から音の美しさに、すっかり魅了されてしまいました。
ものすごく抽象的な表現になりますが、透明でどこまでも伸びていくような、それでいてふんわりとした温もりを感じるというか、まあ、なんせいい音色なんですわ。
楽器は骨董商の父親から買い取った1711年ダヴィッド・テヒラー製と何かの記事に出ていました。
あまりチェロについて詳しいわけではありませんが、モンタニャーナとかストラディバリウスなどと並ぶ歴史的名器のようです。
とても落ち着いたテンポで、すっと心に入ってくるプレリュード。
たっぷり歌うサラバンド。
リズミカルなメヌエットは、この曲が舞曲だということを明確に思い出させます。
ジークは軽快で、とても鮮やか。
拍手をはさんで続けざまに3番へ。
こちらは、非常に得意にされているのではないかという印象を持ちました。
とにかく、体に馴染んでいるという印象でした。
これまた、とても美しい音色とたっぷりと歌い、そしてリズミカルに、また軽快にと、この、ある意味とっつきにくい曲が、すごく身近に感じられる演奏。
休憩をはさんで、6番。
これが一番難しいと言われている曲ですが、エキサイティングな演奏でした。
特にサラバンドの美しさは、本当に夢見心地でした。
鮮やかにジーグを弾ききった後、たっぷりと間を取って立ち上ったエドガー。
すごい拍手が沸き起こりました。
見上げれば、4階席までぎっしり満員の客席からの、止まらない拍手で、エドガーもとても満足そうでした。
アンコールはピアノがありませんので当然無伴奏のものだろうから、何かな(まさかコダーイとか?)と思っていましたが、この日の世界観を大切にされたのでしょう。
バッハの無伴奏の2番から2曲、サラバンドとクーラントでした。
2番はとても美しい曲だと思いますが、中でもサラバンドは特に美しく大好きです。
これをたっぷりと歌い、再び夢見心地にしてくれました。
こちらは、短調であることもあって、より心に迫ってくるような美しさを感じます。
そして、アンコール2曲目のクーラントは、見事な高速演奏。
これはこれでとても爽快でいいですね。
恐らく、今まで聴いた中では一番速い演奏だったと思いますが、決して雑ではなく、丁寧でありながら音楽も生き生きとした流れを感じる演奏で、ただ速いというのとは違います。
むしろ、これが正しいテンポなのだと感じさせられました。
美しい音色、確かなメカニックとそれを生かすテクニック、たっぷりと歌い、リズムの乗りも良く、テンポも自然でありながら自在で個性的。時に軽快に時にゆったりと、その上演奏している姿もかっこいい。 全部入りなんですよ。
ところで東京では、休憩2回挟んで無伴奏チェロ組曲の全6曲を弾いたそうで、凄いですね。
でも個人的に、演奏会では、今日のプログラムぐらいが丁度良いと思います。
CDで聴くなら全曲も通して聴けるけど、演奏会だと、聴く方の集中力が続かないような気がします。知らんけど。
さて、演奏会後に、CDを買うとサインしてもらえます。
僕は、日ごろサイン会には興味無いのですが、どうしても一言伝えたかった。
プログラムにサインをしてもらい、「Great Play!」と伝えると、「Thank You!」と握手してくださいました。
大きな手です。
そして、とてもフレンドリー。
少しうれしそうにしてくれたのじゃないかと勝手に思っています。
妻にも握手してくださり、妻はチェロが上手くなると喜んでいました。
最初の写真は、僕とエドガーの握手の瞬間を妻が完璧なタイミングで撮っくれたました。
後で調べると、去年も西宮に来ていたようなので、また来年も来てくれることを楽しみにしています。
興福寺
連休最後の今日は、奈良の興福寺へ行ってみました。
妻の課題研究を兼ねてティーモを連れてひさびさのお出かけです。
家から興福寺までは、車で40分程度で、割と近いのです。
でも、こうして訪れるのは初めてです。
興福寺は、源平合戦の頃の兵火や江戸時代に起こった火災による焼失や明治維新の頃の廃仏毀釈によって何度も大打撃を受けながらも、1300年を超える歴史を刻んでいます。 というようなことがウィキペディアに書いてありました。
そのような苦難の道を知ると、応援したい気持ちが沸いて親近感を持つというような単純な自分が微妙な感じです。
今日の妻の目的は、南円堂だったのですが、僕はやはりこの中金堂でしょう。
昨年10月に落慶法要が営まれた、ほぼ出来立てほやほやの美しい姿。
非常に均整の取れた絶妙な立ち姿と鮮やかで豪華で、それでいて品の良い色合い。
美しいですね。
歴史を生きた建物の持つくすんだ色合いとは違い、鮮やかな天平文化を再現した事は英断だったと思います。
やがて、色が落ち付き、周りの伽藍とも馴染む頃には生きていないでしょうが、そういう歴史を夢想させてくれるだけでもとてもありがたく感じます。
この写真を撮ったのは南大門跡でしたが、ここもいずれ復元した姿が見れる日が来るのでしょうか。
当然鹿がたくさんいます。
なかなかこのサイズの野生動物と生で接するというのは大阪ではありえませんので、これだけでも非日常感が味わえます。
なんとなくこれまで足が向かなかった奈良ですが、近いのだから、これからはちょくちょく訪れたいと思います。
ところで、9年前、この近くのドッグカフェに行った時の事をブログに書いていました。
ちょうど喉も乾いてきたところでしたから、久々に行ってみました。
9年前に訪れた時は、ぽちたまカフェという名前でしたが、看板には無かったのでよくわからなかったのですが、帰ってきてからwebサイトをみてみると、2階のカフェはまだ同じぽちたまカフェという名前だったようです。
夏の間、あまりお出かけしなかったので、久々のお出かけでティーモは終始ごきげんでした。
目がキラキラしていましたので。
ここでは、1階がスムージー専門店なので、スムージーが名物のようです。
メニューにあった柿のスムージーはこの季節限定だそうで、それにしようかと思ったのですが、残念ながら売り切れ。
普通にミックスフルーツのスムージーとチョコのパニーニを頼みました。
おいしかった。
さすがに観光地だけあって外国から来られた方も多く、ちょっとしたドライブのつもりでしたが観光気分も味わえました。
Voice=Spective
今日は、神戸栄光教会でのVoice₌Pective(ヴォイスペクティブ)の演奏会に行きました。
Voice₌Pectiveというのは、主に声楽家によるアンサンブルで、2011年結成より関西を中心に活動しています。
詳しくは、リンク先よりご確認ください。
実は、僕の弟が、結成時からの中心メンバーでディレクターなので、これまでも何度か聴いています。
今日はオール聖歌プログラムだったので、教会での演奏は響きや雰囲気などがぴったりでした。
ただ、僕はあまり聖歌に詳しくはないので、ほとんどが初めて聴く曲ばかりで、全部を興味を持って聴けたわけではありませんが、プログラム内容に工夫があったので、その点ではとても面白かったと思います。
プログラムは、11世紀から現代までのおよそ1000年の教会音楽をテーマに分けて演奏するというものでした。
よく知らなかった教会音楽の歴史や、その作曲家や作曲技法などについて、講義のように説明があり、教会音楽初心者でもわかりやすい演奏会だったと思います。
意外に、現代の作曲家、特にメシアンのような前衛的な作曲家の書いた教会音楽も11世紀に書かれた教会音楽も、違和感なく続けて聴けるものだと思いました。
メシアンの聖歌、とても美しい響きです。
演奏会場だった、神戸栄光教会も、とても興味のあった建築です。
震災で全壊した会堂を2004年に再建されたのが現在の会堂です。
ホームページによると、外壁のレンガは手積みによって仕上げてあるようです。
本体は当然、鉄筋コンクリートですが、仕上げを安易にレンガ調のタイルなどにせず、本物のレンガを使い、しかも手積みという手間のかかるものにしたのは、やはり建物の持つ歴史や物語を継承していくうえで必要な事だったのだと思います。
レンガの色や仕上げにある自然なムラは、手仕事ならではです。
ドーム状の天井は高く、音の響きもとても豊かです。
音楽ホールとしては響きすぎかもしれませんが、彼らのア・カペラで自然に発声されている優しい歌声は、こうした教会にとても合っていると思います。
教会のすぐ横には、兵庫県公館があり、こちらもクラシックな佇まいの名建築です。
学生時代に2度ほど見学に行きました。
このあたりは、とても美しい街並みですよ。
森のピアノ(続き)
昨日の続きです。
いよいよホールに入りました。
写真で知ってはいましたが、奥と左側の壁の一部がガラス張りで、外の森が見えます。
大阪ならばフェニックスホール、東京なら豊洲シビックセンター、海外でもまだ実現していませんが、ザハ・ハディッド・アーキテクツがロシアのコンペで勝ったホールなどで、ガラス張りのホールというのはありますが、30年ほど前の頃に建ったこの建物のホールは、相当早い時期に実現していたと言えそうです。
ホールの内装は木板をふんだんに使っていて、天井は波打つような曲面です。
側面と背面の壁は木板の目透し張りになっていて、おそらくは裏の吸音材が音質を調整しています。
ガラス面があると言うことは、響きにあまり良くないのですが、ここではそういうマイナス面はあまり感じませんでした。
ガラスのようなフラットな面がある空間はフラッターエコー、いわゆる鳴き竜が起こり、不快な音の反射が起こりやすいのですが、ガラスの反対側の面でしっかり吸音して対策しています。
音の鏡写し状態がフラッターエコーを生みますから反対側で反射させなければ良いということですが、そう単純でもありません。
当然、音を吸いすぎてはデッドな、つまり残響のない音となり、豊な響きは生まれませんから、天井やステージの反響板などの面をうまく使って響きで包まれるような設計となっているのでしょう。
ホールの音響設計は、ここ数年、永田音響設計に代表されるように研究が進んでいますが、ここは、京都大学の古江教授(当時助教授)の指導だと、当時の新建築誌に書かれています。
シンプルな内装でありながら、優れた音響を生んだのは、ちょうどよい広さ共に、優れた指導もあったのでしょうね。
平面図を見ると、ホールはオーソドックスなシューボックススタイルですが、楽屋や舞台袖を含むホール全体の形状がステージの奥に向かってパースペクティブを描くように狭まっていく形状をしています。
ちょうどその三角形の頂点に角度を45度振ったコンクリートの柱が見え、それ以外は壁が無いので、ステージに居ると本当に森の中で弾いているような気分になれます。
少し言い過ぎました。いやでも本当に感じ方次第では充分に森のピアノ気分は味わえると思います。
ステージ奥へのパースペクティブな形状は、観客席からの見え方を考慮して、最大限に森の風景とステージを一体化させる工夫だと思います。
無茶苦茶気持ちいいホールですよ。
弾いてるおっさんを脳内で海君に変換して御覧ください。(意味不明でごめんなさい)
なかなかの原生林でしょう。
自分のことをおっさんと言うのは悲しいですが、仕方ありません。おっさんだし。
ちなみに、こうして演奏しているシーンを撮影しているという事は誰かが写真を撮ってくれているわけです。
言うまでもなく妻がビデオ回して、写真も撮って、拍手までしてくれました。感謝。
傍から見ている人が居たら、林〇ペーかパーなのかと突っ込みたくなるような状態だったでしょうか。
とりあえず、この日はモーツァルトのきらきら星変奏曲、ショパンの子犬のワルツ、7番のワルツ、遺作のノクターン(例の戦場のピアニストのあれです)を弾きました。
クマバチ君とも会ったので熊蜂の飛行もアンコール(何の?)に弾いてみようかとも思いましたが、最近全然弾いてなかったから、自主規制しました。
全体的にボロボロでしたが、まあ久しぶりの生のグランドピアノなので良しとしましょう。
僕、自分に甘いので。
帰り際、駐車場付近でクロアゲハさんに見送っていただいたつもりで帰路に。
黒いアゲハ蝶って見分けが難しいんですよ。
ジャコウアゲハかと思ったのですが、クロアゲハでした。
ちなみに今日は会えませんでしたが、ミヤマカラスアゲハは世界一美しいと個人的に思います。
脱線して終わり。
森のピアノ
今日は、近所の森にピアノを弾きに行ってきました。
ピアノの森を気取ってすいません。ほんとすいません。
四條畷の山の中にあるアイ・アイ・ランドはずいぶん前にも記事にしたことがありました。
家から近いリゾートホテルですが、そこのホールには行ったことがありませんでした。
そもそも、ほとんどコンサートに使われていないそうなので、存在自体忘れていましたが、妻がランチ付きで1時間ホールを貸し切りで使える「森のピアノフリープラン」というものがあることを見つけてくれましたので、今日、早速利用してきました。
あらためて、アイ・アイ・ランドを紹介します。
建築家 瀧光夫氏の設計で竹中工務店の施工、1992年の建築学会賞を受賞した名建築です。
たくさんの木々に囲まれ、森や自然と仲の良い建築。そんな感じがします。
設計者の瀧光夫氏は、当時の新建築で「人工と自然のほどよいバランスをつくりだすことに腐心した」と書かれています。
今でこそ、壁面緑化など、建築と植栽の関係に注目が集まっていますが、建設当時、ポストモダンの影響が残っていたころでしたので、建築の我が強い時代でした。
その中で、この作品は一服の清涼剤のような、素敵な建築だと憧れたのが懐かしい。
これも以前の記事で書きましたが、何度でも。
コンクリートとガラスと鉄、そして木や石という素材を可能な限り素地で使おうという事が感じられます。
その中で、コンクリートの素地ということは打放しですが、打放しというとツルっとした表情が一般的な印象。
ですが、ここでは普通の打放しと、杉化粧形枠を使った打放し、そして小叩きという仕上げを組み合わせて、単調にならない工夫がされています。
小叩きはビシャンという工具でコンクリートの表面を叩いて割っていくという手間のかかる仕上げですし、杉化粧形枠もコンクリートの打設がとても難しい仕上げですが、果敢に組み合わせています。
ガラスは大開口をガラスのマリオン(柱)を立ててできる限り透明であることを強調しているわけです。
安易にサッシの枠や支柱を見せない。
光が欲しいけれど具体的なものは見せたくない部分はガラスブロックを使うなど、明快です。
鉄は最小限の使い方。木は床や天井、外壁など。特に天井では曲面を使って、直線主体の建物に柔らかさを与えているように思います。
さて建物についてはこのくらいで、本題に。
家から車で約15分。
気持ちの良いワインディングロードですがドライブというには短すぎるくらいの距離。
アイ・アイ・ランドに着きました。
入口付近でツマグロヒョウモンのメスが出迎えてくれました。
実は、僕は昆虫も結構好きでして、クワガタが好きですが、蝶も好きです。
特にタテハ蝶の仲間は、羽根の模様や優雅な動きなどとても好きです。
ツマグロヒョウモンはオスよりもメスの方の模様が好きです。
同じく出迎えてくれたクマバチ君。メスだったら君とか言ってごめん。
写真のどこにいるかわかりますかね。わかりますか。
中央やや右寄りの白い花にぶら下がっている黒と一部黄色のすんぐりした奴です。
クマバチは見かけによらず穏やかな性質で、よく見るとでかい図体のくせに花の蜜を吸っている可愛い蜂です。
リムスキーコルサコフの「熊蜂の飛行」では攻撃性の象徴ですけど、王子の化身で正義の味方ですよね。
一応穏やかな奴ですが、オスは針が無いので本当に無害ですが、メスの場合は、あまりちょっかい出さないほうが安全です。刺されると痛いので。刺された事ないからどれくらい痛いか知らないけど。
ちなみにオスかメスか、見分けるのなかなか難しいですので、とりあえずちょっかい出さない。
ああ、本題になかなか行けない。
まずは、ランチ。
森のピアノフリープランというのは、ランチとセットのプランなのでまずはランチです。
こんな近くに、こんなに気持ちの良いレストランがあったんですねえ。
もっと来ようと思います。
コースのランチをいただき、まだ時間が余ったので散策でもと思ったのですが、さすがにこの暑さでは無理は禁物。
フラワーホール(メインロビー)でお昼寝して待ちました。
そもそも、夏は苦手なんですよ。
ところで、よく海と山のどちらが好きかという話がありますが、海の好きな人は夏が好きな人じゃないですかね。
山を選ぶ人は、消去法で選んでるような気が・・・つまり夏が嫌いな人というか。僕は山派です。
ああ、また脱線。
気持ちよくお昼寝していたら時間が来ました。
いよいよホールです。
ですが、ちょっと長くなったので続きは明日。
どうせ明日はのんびりするつもりだし。
無鄰菴
今日は、京都東山南禅寺近くにある無鄰菴に行ってきました。
この無鄰菴に来るのは2回目です。
ウン十年前、妻との最初のデートらしいデートで来て以来です。
幕末、明治に活躍し、首相にもなった山縣有朋の京都の別邸であり、近代的な和風庭園が有名な、国指定名勝です。
僕は、東山を丸ごと借景とし、滝や川という大きな動きがあり、ダイナミックでパースペクティブな魅力を持つこの庭園が好きです。
山縣有朋という人は、特別好きでも嫌いでもありませんが、この庭園の構想を立てたという事において、尊敬します。
この庭園の特徴として、東山を大胆に借景として取り入れている事や、三段の滝から流れる川という要素と共に、日本庭園としては珍しい芝生があることです。
しかも庭園の中央付近のほとんどが芝生広場になっている。
こういう大胆さもこの庭園の大きな魅力の一つです。
実は、今日、無鄰菴に来たのはセミナーに参加してのことでした。
京都造形芸術大学通信大学部主催のセミナーで、座学と庭に出ての実習の二部構成になっていました。
僕は一般参加だったので気楽にお話を伺っておりましたが、大学の講座として参加されている方達はレポートを提出するため、真剣に学んでおられました。
で、この庭園に関する知識も、その講座において学んだことです。
この無鄰菴は、もともと隣が無いという意味を持つ名前だそうですが、今はお隣さんがたくさんおられます。
毎日、この庭をまさに借景できるというのは、とても贅沢なことでしょう。
幕末の動乱で荒れ、遷都により求心力を失い、人口も25万人へと半減した明治の京都の復興を東山の開発に求めた当時の京都府知事北垣国道が、琵琶湖疎水の建設により、当時鴨東(おうとう)と呼ばれ田畑が広がった東山一帯を工業地帯としようと計画したそうです。
しかし、疎水計画は水力発電所という形に帰結したため、結果として水車を利用した工業地帯の必要性は薄れ、土地を買い漁っていた人たちは慌てます。
その土地を別荘地として開発するようにしたのは、誰のアイデアだったのかはわかりませんが、そのモデルハウスとして、この無鄰菴が造営されたという話はとても面白いものでした。
今では、観光地京都においても観光の名所として東山一帯は人気がありますが、その元を辿ればこの無鄰菴や疎水計画というものがあるのですね。
などと偉そうに書いておりますが、すべて今日の講座で教えていただいたことばかりです。(笑)
座学の後は実習ということで、庭園に出てお庭掃除を体験いたしました。
この広い庭園を維持管理していくということがどういう事か、その一端を体験したわけです。(偉そうにすいません)
具体的には、苔の上に落ちた枯葉やキノコを取り除いたり、通路の砂利が跳ねて苔の間に落ちているものを通路に戻したりという事をしました。
途中、キノコ狩りの様相を呈してきましたが、無事、苔を荒らす事もなく掃除ができました。
ああ、大きな塵取りに集めた枯葉やキノコの写真を撮っておけば良かった。
数十人が一斉に掃除していたので、普通に観光しておられた方から、「ボランティアですか?」と聞かれたりしましたが、いえいえお金を払って体験させていただいているのでボランティアではありませんというのも変ですし、「庭掃除を体験しているだけです。」と曖昧な返事を返してしまい微妙な空気が流れてしまいました。(笑)
こうして、庭の掃除などを実際に体験すると、想像以上に無鄰菴に対する親しみが沸いてくるものです。
それにしても、庭師の特権で関守石を超えて奥の庭に入れるというのは、なかなか気分が良いものですな(あ、またまた偉そうに庭師を騙ってすいません)
実習後、再び母屋の二階で、今度は庭師の方からの説明や質疑応答の中、一年を通じて色々な手入れが必要であることや、特殊な手入れ方についても聞くことができ、とても勉強になりました。
特に、東山の姿が効果的に見えるように、境界沿いの樹木の高さを剪定する微妙さに、何気なく見えるものの裏にある様々な工夫や苦労というものを感じました。
そのほかにも、松の葉の剪定にハサミを使わないそうです。
時間はとても掛かるのですが、ハサミを使わないことで柔らかい表情になるそうです。
サツキも植わっているのですが、こんもりしたサツキの姿ではなく、地を這うような姿に整えておられるようで、これは山縣公の考えを今も生かしているとのこと。
サツキの目立つ姿が東山の風情をスポイルすることを嫌ったようです。
また、川沿いの石積みのあちこちにシダが生えているのですが、これも伝統的な日本庭園には見られない手法で、山縣公のアイデアとのこと。
作庭された小川治兵衛との考えの違いなどもあったようですが、山縣公の大胆な発想と小川治兵衛の豊富な知識や経験とのコラボレーションの結果、互いの良さを引き出した形となったのではないかと思います。
建築家安藤忠雄氏も公演で語っておられましたし、多くの建築家の逸話にも出てくることですが、優れた施主による考えというものが有り、それに応えるだけの実力を持つ芸術家、造園家、建築家などが居てこそ、後世に残る作品が生み出されるのだと思います。
母屋二階の窓の手摺はなかなか大胆なデザインですが、こちらは元々からあったものだったのか聞くのを忘れてしまいました。
講座が終わり、再び庭園に戻り、庭園カフェで一服。
今日は、概ね涼しかったのですが、やはり一仕事?終えた後のアイスとお薄は最高ですな。
上品な味で、とてもおいしかったです。
そんな最中(もなかでは無くさなかです)も庭師の方は川底を丁寧に掃除されていました。
お茶をいただき、帰ろうとしたときに、川に亀が。
そして、カメラ目線で見送ってくれました。
この川の主でしょうか?
また、来ます。