中置
今日は、風炉の中置点前の稽古でした。
写真は、先生の許可をいただき撮らせていただいたのですが、これは大板の中置です。
中置と言うのは、10月頃に行うものだそうで、夏場は客から遠い位置にある風炉を少し近づけて点前畳の巾の中央に置くことを言うそうで、10月頃というのは、少し肌寒いけれど炉を使うにはまだ暑いので、風炉を少し客に近づけて暖をとろうということだそうです。
エアコンで暑さ寒さがしのげる現代では、この微妙な位置の違いのありがたさを感じることが難しくなってきていますが、その心を感じたいと思います。
中置の点前で、濃茶、薄茶の両方の稽古をつけていただきました。
この中置の場合、写真左にある細水差しを使います。
名のとおり、背の高い細長い水差しで、蓋は少し斜めに向けて置くようにします。
今日は、また勝手付き、客付きについても、あらためて教えていただきましたが、勝手付きに座り、そこを正面に水差しをおけば自然に斜めに蓋が向くわけです。
なるほど。
中置の濃茶点前の場合は、花押の入った竹の蓋置を使います。
花押は、戦国武将達が書状などに自分のサインとして書いたものを思い出しますが、花押入りの蓋置は格が高いとか意味があるのでしょうか?
また、今度先生にお聞きしてみよう。
大板を使う場合は、柄杓の飾り方も普段と違い、大板の左手前に蓋置を置き、大板の手前側の辺に水平になるように柄杓を飾るのですが、道具の違いによって微妙な点前の違いがあるわけです。
そして、常に美しい形になるんですなあ。
茶の湯の美しさというのは、季節、道具の種類、茶室のしつらえ、それぞれの組み合わせでものすごい数の美しさがあるんでしょうね。
濃茶の点前も薄茶の点前も、少しずつは覚えてきているものの、たどたどしい流れで情けないです。
それでも、先生から伺うお話に、いつも普段の生活にも生きるような素晴らしい事を教わります。
今日は、客と亭主のやりとりにおいての言葉のあり方についてのお話がありました。
要約してしまいますと、多くを語るよりもシンプルな言葉の中に心をこめる方が良いということ。
まだ未熟だからそれほど多くを語れないのですが、おそらく慣れてくると、ついつい饒舌となってしまうんじゃないかと思います。
しかし、それよりも流れに沿って普通の言葉を使った方が良いと。
ただし、その言葉に心をこめて、声のトーンであったり間の取り方であったりを工夫する方がいいんだという事を教わりました。
普段、おしゃべりな僕には充分な戒めですw
まあ、場の空気と流れに沿ってのおしゃべりならば良いのかなと解釈しておりますが、場によっては饒舌よりも、声のトーンや間を工夫してシンプルな受け答えを心がけた方が相手に伝わることも多くなるという事かなと思ったりしました。
さて、来月からはいよいよ冬支度ですかな。