ああ、おいしいなぁ

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金本選手の引退試合2

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7回、いつものようにジェット風船が飛びます。
ライトスタンドはすごい熱気だし、それ以上にこの日はレフトスタンドがすごかった。
金本選手のポジションであるレフトに近いレフトスタンドや3塁アルプススタンドは、いつも以上にタイガースファン、金本選手のファンで熱かった。

2アウトから大和選手がエラーで出塁。
続く鳥谷選手が繋げば、金本選手に打席が回り、打点を上げるチャンスということは球場全体が理解していたし願っていました。
もし鳥谷選手がアウトになれば、おそらくは試合展開からも8回先頭打者として打席に立つ金本選手が打点を上げるためにはホームランを打つしかなく、厳しい。
すごいプレッシャーだったと思いますが、これからのタイガースを背負う男である鳥谷選手には、それに打ち勝つ強さが必要です。
この打席には、これからのタイガースが掛かっていると僕は感じていました。

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そして、鳥谷選手はその期待に応えてヒットを打ちました。

いよいよ、金本選手の現役最後の打席を迎えました。
2004年、あの有名な片手でのタイムリーヒットを甲子園の1塁側アルプススタンドで見ていました。
あの時、前日の試合での影響が大きいと言うことはメディアを通じてファンは知っていました。
なので、記録のために打席に立つだけなのかという複雑な気持ちと、金本ならばなんとかするんじゃないかという思いで観ていました。
そして見事タイムリーヒットを打った。 しかも片手で。
打席から遠いアルプススタンドでも片手で打ったことはわかりました。
目を疑いましたが、同時に戦慄と感動が混ざった不思議な感情を味わったのを、この打席でふいに思い出し、涙があふれて止まらなくなってしまいました。
金本選手に、特別な思い入れがあったわけではありませんので自分でも不思議でしたが、考えてみれば、多くの感動を与えてもらったんだとあらためて最終打席の金本選手を見つめながら思い出してしまったんですね。

田淵選手を抜いた通算475号も見ましたし、結構観に来た試合では金本選手の節目が多かった気がしますが、それだけ多くの記録や記憶を残していった証拠でしょうね。

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大打者金本知憲の現役最後の打席

残念ながら金本選手の最後の打席はキャッチャーフライでした。
それでも三浦投手との真剣勝負、本当に見ごたえがありました。

8回にもチャンスがあり、もう一打席回るかとも思われましたが、投手のメッセンジャーに代打は出ず、結局7回の打席が現役最後の打席となりました。

9回の守備につく金本選手には、ひときわ大きな声援が掛かりました。

そして、ベイスターズの最後の打者荒波選手のレフトフライを金本選手がキャッチして試合終了。
最後に、金本選手のところへ打球が飛ぶというのは、これも野球の神様の仕業ですね。

メッセンジャー投手もこれで10勝となり、鳥谷選手は4年ぶりのシーズンフルイニング出場となりました。

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勝利のハイタッチ

終戦ということでマウンド付近に一列に整列。

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ファンに一礼して、いよいよ金本選手の引退セレモニーです。

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阪神園芸さんがグラウンドを綺麗に整備して、セレモニーの準備をしていました。

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その間、スコアボードのオーロラビジョンにこれまでの金本選手の活躍を映し出していました。
面白かったのは、金本選手のホームランのシーンなどで、まるで今打ったかのような拍手と歓声が上がった事です。

いよいよ、引退セレモニーが始まり、照明が少し暗くなりました。
考えてみれば、試合展開が早く試合終了は8時半頃でしたので、ゆっくりとセレモニーを味わうことができました。

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スポットライトを浴びて、マウンドの少し前で金本選手から引退メッセージが語られました。
印象に残ったのは、もう一度優勝したかったという言葉でした。

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好敵手だった横浜の三浦投手からの花束贈呈。

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関本選手会長、鳥谷キャプテン、藤川キャプテンの花束贈呈。

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そして、サプライズ・・・と言っても事前に皆知っていましたが、清原さんの花束贈呈。

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そして、紹介が無いままトラッキー達にいざなわれて飛びつき抱きついた金本選手のお嬢さん。
きっと予定になかったんじゃないかと思います。
家族については、普段からあまり多く語らなかった金本選手ですから、この引退挨拶でも家族については語ることはありませんでした。
僕は、それで良いと思います。
人それぞれですので、感謝の気持ちを多くの人の前で語りたいと思う人も居るでしょうし、それも正しいし、家族なんだから顔を突き合わせた日常の中で感謝を伝えるべきと考えるのも正しいと思います。
だから、お嬢さんの登場こそがサプライズだったんでしょうね。
アナウンサーからの紹介が無かったので、きっと金本選手も知らされていなかったと思います。

その後、チームメイト一人ひとりと握手を交わし、マウンド付近でチームメイトから胴上げ。
背番号と同じ6回宙に舞ったようです。

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打撃投手の方達とは、特にじっくりと挨拶されていたように思いました。

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感動の胴上げ

その後場内を一周。
ファンに選手として最後のユニフォーム姿を見せてくれました。

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レフトスタンド前で、ものすごい紙テープの雨が降りました。

場内一周した後、バッターボックスでファンに手を高く上げて最後の挨拶をし、バッターボックスにそっと花束を捧げ、チームメイトの作る花道を通ってベンチの奥へと消えていきました。

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名選手の引退試合というのは、実は初めて生で観ます。
それも、大打者の引退試合
本当に、来て良かった。

僕は、7回の攻撃中大泣きしてしまいましたが、奥方も少しうるっと来ていたようです。
金本選手は、ファンに向かって夢をありがとうと言ってくれました。
一つ年下のあにき、こちらこそ夢をありがとう。